掌や指、手の甲などを使い圧力をかけます。圧をかけたまま筋膜に変化が起こるのを待つ場合もあれば、ロルファーが伸ばしたい方向にスライドさせていく場合もあります。筋膜をアイロンして筋膜のシワを伸ばしたり、筋膜同士の癒着をはがす目的があります。
ここをこうしたい、という意図をもって直接その部分に働きかける手技です。
ロルフィングの中でも伝統的なアプローチです。
当店の手技でも基本的にこのやり方がベースにあります。
「身体は私より賢い。」
これは恩師であるトーマス・ウォーカーがデモンストレーション中に言った言葉です。
どんなに勉強しても経験してもその人の身体にとって最適のワークが出来るとは限りません。人間の判断には限界があります。
しかし、人の身体には自己調整能力というものが備わっています。リスニングタッチという特殊なタッチによって筋膜が本来あるべき場所への自己調整を始めます。
主にセッション終盤の全身調整時に使うテクニックですが、必要に応じて随時使っていきます。身体の中の揺らぎ、波のような感覚を感じられることと思います。
手技によって与える影響としてロルフィングの目的でもある構造変化があげられます。骨、筋肉、血管、臓器などの身体のパーツの間を埋めているものが筋膜です。乾いた筋膜は縮んで老廃物ごと固まっています。その部分は構造的に短く動きの少ない部分となります。そうした部分に水分を含ませるタッチがロルフィングの手技です。
適度に潤った筋膜は柔軟性を取り戻し、構造的には伸びて身体の中のスペースも広がります。逃げ場のなかった老廃物も流れてやがて排出されます。
主にセッション終盤には全身のバランスを取るワークがあります。パソコンで最適化するのと一緒です。そこで扱うのが後頭部と仙骨です。リスニングタッチで自己調整の動きを引き出します。そして、後頭部、仙骨ともに神経の中枢でもあります。自律神経系に働きかけ現代人が使いづらくなっている副交感神経(リラックスする方)をONにして自律神経の調整をします。同時に頭蓋骨の動きと背骨の動きを促すことで脳髄液、脊髄液の循環を引き出します。
身体が整うこと。
深くリラックスしやすくなること。
頭がすっきりすること。
ロルフィングの手技で本来の人間に戻っていくことを促します。