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猫背が癖になっている人が姿勢を正そうとすると胸を前に突き出して背中を後ろに絞る場合が多い。
そして、筋肉を緊張させて作った良い姿勢はすぐに疲れてしまって頑張った背中が凝るという結果を生む。

胸を張るという言葉があるからか、こういう形を作ろうとするけれど、張るというところに緊張を生む要素がある。

ロルフィングの学校では、胸に関して出すとか張るとかいう言葉を聞いた記憶はなく、胸を「リフト」すると表現していたと思う。日本語だと胸を持ち上げる。

この方が前への印象が強い「張る」よりは、余計な筋力は使わない。そして胸が落ちていると胸郭の容積が下がるので入る空気の容量が減るのに対し、胸が持ち上がることでボリュームが増える。胴体の上の方の胸郭のボリュームが増えるとその下の腹のスペースも広がるので内臓空間の増える。

身体全体を整えていくならこの胸のリフトは勝手に起こってくるけれど、とりあえずの良い姿勢としては胸をリフトする方が緊張少なく維持できるのではなかろうか。

スマホの普及もあって首や背中が丸まるのと同様に胸が落ちている人も増えている。
身体の各パーツが水平なのが健康的なのだけど、だんだんと斜め下になっていく傾向があるので気を付けないとならない。