ボクシングの最高傑作ロマチェンコ選手が3年7か月ぶりにライト級のチャンピオンに返り咲いた。
ライト級制覇を目指して3本のベルトまで集めて、最後のベルトを得るためのタイトルマッチでまさかの敗戦。あれから3年7か月も経っていたとは・・・。
敗戦したテオフィモ・ロペス選手との試合の後、すぐに肩の手術をしたことと試合中のロマチェンコ選手が明らかに手数が少なかった事を考えると、あの試合は万全な状態ではなかったように思う。
昨年の4団体統一チャンピオンであるデヴィン・ヘイニー選手とのタイトルマッチは疑惑の判定での敗北。個人的にはロマチェンコ選手が勝っていたように見えた。確かデビュー2戦目でもタイトルマッチで相手の体重超過と試合中反則を繰り返されたことがあったにも関わらず疑惑の判定負けをしている。
ベルトを失っていた期間に母国ウクライナでの志願兵としての戦争参加もあった。
かつてのPFPランキング1位の選手で未だ実力で完全に負けた試合もないので、その強さに、上手さにいつも期待感を持たされる。戦争から帰還した後の試合は出来が悪かったものの、年齢的な衰えは隠せないもののまたかつての強さを取り戻しつつある。
先日のカンボソス選手との試合では、相手の攻撃をほぼ当てさせず芸術のような技術を駆使して圧倒的な勝利をあげた。
今のPFPランキングは井上選手で圧倒的なKO勝ちの多さが印象的だが、ロマチェンコ選手は仮にKOが見られなくてもその異次元の技術に目を奪われる。なかなか運に恵まれない感は否めないけれど、不屈の精神力で36歳にしてチャンピオンに返り咲いた。もうそんなに多くの試合は出来ないかもしれないが、この人への期待感は未だ消えない。
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