ソロモンの偽証4

ソロモンの偽証4巻。決意編の下巻。
個人的には裁判準備後編。

この巻はどちらかというと起訴された不良グループのリーダーを弁護する側の見せ場が多かった印象。

とにかく頭が良い他校の生徒で今回の弁護人役の神原君。しかし、これの目線からは物語を進めない違和感は全巻から持っていた。そして、弁護助手の野田君。
第一部の時に両親を殺す計画を立ててギリギリの所で実行できなかった野田君。
その経験から神原君の言葉や様子に違和感を感じつつある。序盤は物語のスパイスの一つに過ぎないようなエピソードの当事者くらいに思っていたし、存在感もなく無気力な感じで臆病でもあるのでそんなに気にならない人物だった。

それが弁護助手としての活動の中で、熱さ、鋭さ、優しさ等がドンドン出てきて大成長を遂げていく。
作者の構想通りなのか、執筆中にキャラクター自体が魅力的になっていったのか、もはや物語の主役といってもいい人物になっている。

謎の弁護人神原君も多くの事を隠しているのが読者にも分かるようになっていて、事件に深く係わっている確信を持って読み進める。まさか殺人の真犯人というオチはないだろうけれど、事件にどういう形でかかわっていたのか気になって仕方がない。

いよいよ次巻からは学校内裁判編に入る。
なかなかの長編なのにやっぱり飽きずに読める良作。